ADA欠損症は人類最初の遺伝子治療

究極の治療法として注目されている遺伝子治療の今を知ろう!

人類最初の遺伝子治療はADA欠損症

人類最初の遺伝子治療はADA欠損症 人類最初の遺伝子治療が行われた「ADA欠損症」とはどのような症状でしょうか?ADA欠損症とは、先天的な免疫不全症のひとつで、「ADA(アデノシンデアミナーゼ)」という「酵素」が欠損している疾患となります。このADAが欠損すると、リンパ球が減少するなどといったことが起こり、治療をしなければ多くの場合乳児期に亡くなってしまいます。

ADA欠損症の治療法

この疾病は、「ADA」を作り出す遺伝子が欠損していることによって起こるので、治療をするにはADAを作り出す「遺伝子」を患者の細胞に組み込めばいいのです。まず、患者の骨髄から「幹細胞」を取り出し、その「幹細胞」内に健康な人から採取したADAを作り出す遺伝子を組み込むのです。
ウイルスを利用した手法によって組み込んだ場合、そのウイルスによってADAを作り出す遺伝子が患者の幹細胞にある核のDNAに組み込まれ、その幹細胞を増殖させます。必要な量まで増殖できたら、患者の体内に細胞を戻します。これによって患者の身体でもADAが作られるようになり、治療ができるのです。

遺伝子治療の効果

「遺伝子治療」は、タンパク質になる前の「遺伝子」からタンパク質ができるまでの経緯に着目した治療法となり、疾患の根源から治療法を試みていると言えます。遺伝子治療によって可能となったのが「オーダーメイド治療」や「副作用の少ない治療」です。
「オーダーメイド治療」は、個人の体質に沿って治療方法を組み立てます。患者の血液などを調べて、疾患の原因遺伝子があるかどうかを調べ、確認された遺伝子を元に治療の可否を検討します。そして可能な場合は遺伝子治療を行います。
「副作用の少ない治療」とは、遺伝子レベルで治療方法を組み立て、特定の細胞やタンパク質にのみ治療を施す方法です。これにより、高い効果が期待できる上に副作用の心配が少ないのです。

がん治療への展開

これらの特徴によって、遺伝子治療はがん治療に用いられています。がん治療と言えば、「外科手術」「放射線治療」「化学療法」が主なものでしたが、これらの治療では正常な細胞を傷つけてしまうことがあり、その結果、患者は重い副作用に悩まされてしまいます。しかし遺伝子治療を用いれば、がん細胞だけに作用され、副作用がほとんど起こらないのです。現在は、まだ遺伝子治療のみの治療は難しいですが、いずれ「遺伝子治療」単独で治療ができるようになるかもしれません。世界の医療に期待したいですね。

What is this site?私は遺伝子治療に関心を持ち、いろいろと独学中の看護師です。現在難病と言われている病気はなんらかの形で遺伝子の異常や特性が関係していることがわかってきています。その遺伝子の問題ある部分に直接働きかけることによって病気を治すのが、遺伝子治療です。そのしくみと実際の治療法について私が知る範囲でご紹介していきたいと思います。今後も勉強しながら、新しい情報を追加していこうと思っています。 本サイトへのお問い合わせは、genefuture55525@excite.co.jpまでお願いいたします。

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