アルツハイマー病に対して遺伝子治療を活用する

究極の治療法として注目されている遺伝子治療の今を知ろう!

What is this site?私は遺伝子治療に関心を持ち、いろいろと独学中の看護師です。現在難病と言われている病気はなんらかの形で遺伝子の異常や特性が関係していることがわかってきています。その遺伝子の問題ある部分に直接働きかけることによって病気を治すのが、遺伝子治療です。そのしくみと実際の治療法について私が知る範囲でご紹介していきたいと思います。今後も勉強しながら、新しい情報を追加していこうと思っています。 本サイトへのお問い合わせは、genefuture55525@excite.co.jpまでお願いいたします。

βアミロイド分解によるアルツハイマー病治療

βアミロイド分解によるアルツハイマー病治療 アルツハイマー病は不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考能力が徐々に障害され、最終的には日常生活の最も単純な作業を行う能力さえも失われてしまいます。脳内に「βアミロイド」という物質が過剰に蓄積することによって引き起こされ、βアミロイドの蓄積はほとんどの人で40歳~80歳の間に開始し、加齢に伴って加速することが知られており、その結果、85歳以上では約2人に1人がアルツハイマー病あるいはその前段階である軽度認知障害に罹患すると言われています。

アルツハイマー病の治療

治療には、アセチルコリン(アルツハイマー病患者の脳内で低下している神経伝達物質のひとつ)分解酵素を阻害する薬剤(ドネペジルなど)が用いられていますが、対症療法でしかなく、病気の進行をくい止めることはできないのです。βアミロイドを分解する酵素としてネプリライシンを同定し、この酵素活性が低下するとβアミロイド量が上昇することが明らかになっており、脳内ネプリライシン活性の低下は加齢に伴って低下することや実際にアルツハイマー病の前段階で低下することが知られています。そのため、この酵素の働きを高めることができればアルツハイマー病の予防や治療につながると考えられ、研究が進んでいます。

実験的「遺伝子治療」

ネプリライシンの遺伝子を利用して、脳内ネプリライシン活性を増強しβアミロイドを減少させる目的で遺伝子治療実験が行われています。この実験により、アデノ随伴ウイルスベクターを利用する遺伝子導入法はウイルス自体が非病原性であることや遺伝子発現期間の持続性、発現領域の限定性など多くの長所があり、その上、ネプリライシン遺伝子の導入によってマウスに目立った異常が認められず、副作用は少ないと考えられるのです。アルツハイマー病の根本的治療法が存在しない現時点において、原因療法のひとつの選択肢となり得るでしょう。

今後の治療法への期待

このように、ネプリライシンの遺伝子を導入する遺伝子治療は、若年発症型のものを含めて全てのアルツハイマー病患者の根本的な治療法になる可能性があります。また、今回の実験結果は脳内ネプリライシン活性を増強すればβアミロイドが減少することをin vivoで実証したもので、今後の研究の展開によっては、薬剤によってネプリライシンの活性を制御する薬理学的方法が開発されれば、遺伝子治療に加えてより簡便で安全なアルツハイマー病の治療法となることが期待されるでしょう。

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