がんと遺伝子の関係が明らかになっていくと、これを治療に生かそうと世界中が注目し始めています。その治療の原理は、がんによる変異などで正常に機能していない遺伝子の働きを抑制したり補ったりすることで正常な機能を回復し、がん細胞の無限増殖を停止し、がんをアポトーシス(自死)に導くというものです。
以前では不治の病と言われた「がん」ですが、医療技術の発展によって早期であれば高い確率で生存も可能になりつつあります。しかし、今の治療法ではがん細胞だけでなく、正常な細胞も傷つけてしまい、カラダの負担が大きく、適応範囲にも限度があります。それに比べ遺伝子治療では「がん」のメカニズムの根本に働きかける治療を行います。正常な細胞を傷つけることなく、がん細胞の変異・欠損した機能を回復する治療となるので適応範囲が広く、がんの予防や末期の患者にも適応可能な治療ができるとして大きな期待を集めているのです。
がん治療と言えば、「外科手術」「放射線療法」「化学療法」が標準治療とされていますが、この治療法ではがん細胞だけでなく、正常な細胞も傷つけてしまうことが多く、がん治療は辛いものというイメージがあります。それらの治療に比べて、遺伝子治療は正常な細胞を傷つけることなく、がん細胞のみを治療するので、カラダへの負担が少なく、治療による辛さがありません。治療による副作用もほとんどなく、治療中も通常の生活を送ることができます。
抗がん剤や放射線などの治療を継続しながら、遺伝子治療を行うことで相互作用による高い効果を得ることもできます。また、抗がん剤や放射線の副作用を低く抑えながら治療効果を得ることもできます。そのため、これらの治療ができなかった患者にも新たな選択肢が広がるのです。抗がん剤との併用では抗がん剤の投与量を減らしても効果を得られ、病状や副作用により抗がん剤の適用ができなかった場合でも抗がん剤治療ができるようになります。遺伝子治療を組み合わせることで、がん細胞に耐性が生じるのを防ぎ、長く効果を得ることができます。
放射線治療との併用では、がん細胞のDNAを切断し、細胞分裂の機能を停止させる放射線治療でも、正常な細胞への影響は不可避となります。遺伝子治療を行い、その後に放射線治療を行うことで副作用を軽減したり、その効果を高めたりすることが分かっています。遺伝子治療により投与される遺伝子が放射線治療によって傷ついたDNAを修復し、副作用を軽減します。さらに放射線治療後の遺伝子治療も有効です。
What is this site?私は遺伝子治療に関心を持ち、いろいろと独学中の看護師です。現在難病と言われている病気はなんらかの形で遺伝子の異常や特性が関係していることがわかってきています。その遺伝子の問題ある部分に直接働きかけることによって病気を治すのが、遺伝子治療です。そのしくみと実際の治療法について私が知る範囲でご紹介していきたいと思います。今後も勉強しながら、新しい情報を追加していこうと思っています。 本サイトへのお問い合わせは、genefuture55525@excite.co.jpまでお願いいたします。