人間のカラダは、皮膚や筋肉、心臓、肝臓、胃、肺、脳など、さまざまな機能を持った部位から成り立っています。これらは全て、細胞という小さなパーツが集合し、組み合わさってできています。筋肉ならば筋細胞、肝臓ならば肝細胞、脳ならば神経細胞によって主に形成されているのです。人間1人あたりの細胞の数は、およそ60兆個もあります。このように、膨大な数の細胞という小さなパーツによって、人間のカラダは形成されているのです。
この60兆個の細胞たちは、驚くべきことに全ておなじ設計図を持っています。人間のカラダの設計図は私たちがよく耳にする「デオキシリボ核酸(DNA)」と呼ばれる物質によってかかれています。「DNA」は、「アデニン(A)」「チミン(T)」「グアニン(G)」「シトシン(C)」という4つの塩素で構成されています。この「A、T、G、C」の並び方こそが、親から子へと受け継がれ、人間の個性を生み出す「遺伝情報」なのです。この遺伝情報全体のことを「ゲノム」と言います。人間の場合は、「ヒトゲノム」と呼ばれています。
「ヒトゲノム」の中にはさまざまな情報が書かれており、意味のない領域もあれば、重要な情報を記録している領域もあります。人間のカラダの部位を作るための重要な情報を記録している領域が「遺伝子」です。「ヒトゲノム」には、およそ23,000個ほどの遺伝子が載っていると考えられていて、それら遺伝子の組み合わせによって、多種多様な細胞が生まれるのです。個々の遺伝子には、性格や体型、運動能力などの人間の個性を成す情報も記載されています。遺伝子は人間のカラダを作るための設計図であると同時に、人間の個性を成す設計図でもあるのです。そのため、遺伝子は「生命の設計図」と言われることもあるのです。
人間の設計図は、巻物のようにいくつかの巻に分かれていて、人間の場合は23巻が2セット、合計46巻に分かれています。それら巻物一つ一つを「染色体」といいます。現在では、「ヒトゲノム」だけでなく、さまざまな生物のゲノムが解読されていて、その数は3,000種を超えています。研究者たちは、さまざまな生物のゲノムを解読し、それをヒトゲノムと比較することで、人間と他の生物の違いについて、遺伝子から明らかにしようとしています。
このように、「遺伝子」とは、人間のカラダの部品を作るための重要な情報を記録している領域であり、人間の個性を成す設計図でもあるのです。
What is this site?私は遺伝子治療に関心を持ち、いろいろと独学中の看護師です。現在難病と言われている病気はなんらかの形で遺伝子の異常や特性が関係していることがわかってきています。その遺伝子の問題ある部分に直接働きかけることによって病気を治すのが、遺伝子治療です。そのしくみと実際の治療法について私が知る範囲でご紹介していきたいと思います。今後も勉強しながら、新しい情報を追加していこうと思っています。 本サイトへのお問い合わせは、genefuture55525@excite.co.jpまでお願いいたします。