遺伝子治療の基礎を押さえる
私たちのカラダには23,000個ほどの遺伝子があると考えられていて、それは細胞という人間の基本単位の中に収まっています。この遺伝子に注目した研究者は、医療技術の発展とともに「遺伝子治療」の研究を進めてきました。これは新しい治療法として、多くの人から注目されています。しかし遺伝子治療という言葉を聞いても、それだけでは何もわからないと思います。それを理解するには基礎知識が必要です。そこで、遺伝子とは何か?から遺伝子の基礎用語、入門書籍まで、詳しくご紹介します。
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知っているようで実は知らなかった「遺伝子」。遺伝子とはなんでしょうか?これは人間のカラダを作る設計図なのです。人間のカラダには、多数の遺伝子があると考えられ、細胞という基本単位の中に存在しています。この細胞の核の部分に染色体があり、この中にあるDNAが遺伝子として作用しているのです。人間のカラダはこの遺伝子に書かれた情報に基づいて維持されていると言われています。実際にはどういう仕組みなのでしょうか、さらに詳しく見ていきましょう。
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「デザイナーベビー」は、特定の遺伝的性質をもつ受精卵を選択、または受精卵に遺伝子操作を行うことによって、好ましい遺伝子をもつ子供を産むことです。これは現実に行われていることではありませんが、技術的には近い将来、受精卵に遺伝的改変を加えることが可能になると考えられています。しかし、これには倫理的な問題もあり、幅広い議論を重ねることが必要でしょう。現在の日本では、倫理委員会を設け、生殖医療のあり方について検討しています。
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医学や科学の知識が少しでもあれば「遺伝子治療」についての理解は深まることでしょう。そこで「遺伝子」に関する書籍、中でも読んで理解しやすい入門書籍を3冊ご紹介します。その3冊とは、「遺伝医学・ゲノム医学 はじめに読む本」、「ひらく、ひらく「バイオの世界」14歳からの生物工学入門」、「新版 絵でわかるゲノム・遺伝子・DNA」です。どの著書も読みやすくて分かりやすいので、「遺伝子治療」を理解する上でとても参考になりますよ。
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遺伝子治療とは、遺伝子または遺伝子を導入した細胞を患者に投与することで、疾患の治療を行うものです。その方法は病態によって異なりますが、足りない遺伝子を補充したり、異常な遺伝子を持った細胞を修復したりすることによって治療します。1990年にアメリカで行われた「ADA欠損症」の治療が世界で最初の「遺伝子治療」と言われていて、そのことからもわかるように遺伝子治療は誕生してからまだ20数年という新しい医療技術なのです。
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遺伝子について、よく耳にして知ってるつもりになっていた、なんとなく分かってるような分からないような、でも今さら誰かに聞くのも恥ずかしい……。そんな「遺伝子」に関する用語をまとめてみました。遺伝子治療のことを勉強する前に、「遺伝子」の基礎用語を知識として知っておきましょう。基礎用語を知っておくことで、「遺伝子治療」が良く分かるようになるでしょう。ここでは、「染色体」「DNA」「遺伝子」「ゲノム」についてご説明しています。