研究が進む遺伝子治療
「遺伝子治療」は、新しい治療方法として、医療技術の発展とともに研究が進んでいます。不治の病と言われた「がんの治療」や、高齢化が進む日本で増加傾向にある「パーキンソン病の治療」、患者の多くが高齢者で明確な治療法のない「アルツハイマー病の治療」、そして、ストレスの多い現代社会で急激に広まった「鬱病の治療」など、さまざまな病気の治療法として、大きな期待が寄せられています。そんな「遺伝子治療」の研究状況をご紹介します。
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昔は不治の病と言われたがんですが、現在では医療技術の発展によって、早期であれば高い確率で生存が可能となりつつあります。しかし、現在のがん治療はがん細胞とともに正常な細胞も傷つけてしまうことから、カラダへの負担も大きく、とても辛いものというイメージがあります。それに比べて、「遺伝子治療」なら、正常な細胞を傷つけることなく、がん治療を行うので、カラダに優しい治療ができると大きな期待を集めているのです。
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認知症などの症状と勘違いされやすいパーキンソン病ですが、高齢化が進む日本で、患者が増えつつあります。最近では若年性パーキンソン病患者も増えており、この病気を耳にする人も増えているはずです。そのように名称が知れ渡ってきた反面、病気の原因はまだ解明されておらず、ドーパミン不足が原因ではという説も伝えられています。そのため、治療方法は「薬物療法」「リハビリ」「手術」など多彩で、現在では「遺伝子治療」の研究が進んでいます。
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患者の多くが高齢者という特徴があるのが「アルツハイマー病」です。その病状の進行を抑えることができる場合もありますが、明確な治療法はありません。高齢化の進む日本では、この病気を抱える患者がどんどん増加しており、深刻な問題となってきています。そんな中で、医療技術の発展とともにアルツハイマー病の「遺伝子治療」の研究が進んでいます。マウスでの実験に成功し、将来的に簡便で安全なアルツハイマー病の治療法となることが期待されています。
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ストレスの多い現代社会において「鬱病」という病名を聞くようになって久しいですが、同様のメンタルな病気になる人が年々増加していると言われています。もやは鬱病は珍しい病気ではなく、比較的ありふれた病気になってきているのです。そんなメンタルな病気に対しても「遺伝子治療」の研究が進んでいるようです。ここでは、「遺伝子治療」で特定のたんぱく質を正常に戻すことで新たな鬱病治療法確立に取り組む研究についてご紹介したいと思います。